老阿伯魷魚羹
- noodle, local food
- 〈 台北市 〉
心和む親子3代の味を、油化街の一角で
昔から乾物や漢方の問屋街として知られる迪化街。雑貨ショップやカフェ、竹細工などのお店も点在し、街歩きが楽しい一段通りの角に食堂「老阿伯魷魚羹」はあります。
創業は1950年。屋台から始まったというお店は、2代目の店主・陳さんと息子さんたちによる家族経営。以前はここからほど近い場所で営んでいたそうですが、昔は2軒あって賑わっていた映画館がなくなり、市政府が迪化街を発展させるべく様々な店に移転を奨励したことから5年前に現在の場所に移ったといいます。
「迪化街の雰囲気にふさわしく、旅行者の方にも楽しんでもらえるお店にしたい」と清潔感のある店舗デザインを取り入れて、3代目でリニューアル。
通りから見える「おじいちゃんのとろみイカスープ」という意味の屋号と、かわいいイラストが載っている看板が目印です。
昔ながらの確かな味に加え、気さくな雰囲気が地域の常連客をはじめ観光客をも惹きつけ、店内はいつも賑わっています。並ぶことも多い人気店ですが、お客さんの回転率も高いので、メニューを見て選んでいるうちに順番がやってきます。
オーダーは注文用紙に食べたいものをチェックして渡すか指差しで伝えて、先に会計を済ませる食堂スタイル。「不要香菜(パクチー抜き)」、「不要芹菜(セロリ抜き)」という項目があるので香味野菜が苦手な人はチェックするのをどうぞお忘れなく。
また台湾の大衆食堂や屋台では基本的にお水は提供されないため、飲料水が必要な方はペットボトルなどを持ち込みましょう。
ほんのり甘い冬瓜(とうがん)茶や、ミントティーはお店で手に入れることができます。(ボトル1本30元〜)
おすすめのメニューは、一度にいろんな具材と麺が楽しめる「総合類(ミックス)」(80元〜)。魷魚(スルメイカのすり身)や福州魚丸(魚のすり身の中に豚ひき肉を包んだつみれ)とともに、麺は油麺・春雨・ビーフン・きしめんから選ぶこともできます。
スルメイカのすり身は、弾力と歯ごたえがあって風味豊か。魚のつみれの中には甘じょっぱい肉餡が詰まっていてボリューム満点です。それらの具材を引き立てるスルメイカベースのスープは毎朝仕込むため、臭みもなくあっさり。ちなみにほんのり甘みを感じる澄んだスープの秘訣は、鍋で一緒に煮込む大根にあるのだとか。
麺メニューに加えて、揚げたネギとニンニクの甘辛ダレをかけたご飯「油蔥飯」(小30元〜)をセットにするのがローカル流。ひと口食べると、揚げネギのガーリック風味と醤油の香ばしさが口の中に広がってテンションが上がります。
日本では珍しいサツマイモの葉など旬の青菜を茹でた「燙青菜」(35元〜)と合わせて食べれば、胃袋も心も満たされること間違いなしです。遅めの朝ごはんや小腹が空いた時にちょうどいいサイズ感です。
創業から70年、家族で切り盛りして守り続けてきた老舗の味は、家庭料理のようにホッとして飽きない、愛情を感じます。油化街の散策途中にぜひ立ち寄ってほしいお店です。
老阿伯魷魚羹
□ ADDRESS
台北市大同區迪化街一段226號
□ TEL
+886-2-2557-3332
□ OPENING
10:00〜18:00
□ CLOSING
水曜日
□ ACCESS
大橋頭駅から徒歩10分程度
老阿伯魷魚羹