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幕末という激動の時代を駆け抜けた維新の志士ゆかりの町、山口県萩市。旧萩城から広がる城下町は、碁盤目状に町割りされ、かつては中・下級の武家屋敷が軒を連ねていました。今でも町筋はそのままに、白壁となまこ壁、黒板塀の美しい街並みが続き、街全体が城下町としての面影を色濃く残しています。
また、萩は、2015年に「明治日本の産業革命遺産」の1つとして世界遺産にも登録され、近代化を推し進めた日本の歴史ロマンあふれる町として、世界的にも注目されています。
そんな町のシンボル、毛利36万石の主城「萩城」。関ヶ原の戦いに敗れ、広島から萩へと追いやられた西軍の総大将、毛利輝元が新たな拠点として江戸時代のはじめ、1604年(慶長9年)に築城したお城です。幕末の1863年(文久3年)に藩庁が山口に移されるまで、250年余りにわたって長州藩の拠点として活用されていました。
萩城は明治6年に発布された廃城令により、天守閣や矢倉などの建物は全て解体されてしまいましたが、石垣や堀の一部は当時のままの姿をとどめ、城跡一体は国の史跡に指定されています。
現在では本丸エリアが指月公園として整備され、桜の名所として春にはおよそ600本のソメイヨシノが咲き誇ります。そんな中、純白色の花びらと緑色のガクが珍しい桜、ミドリヨシノが1本、城内に孤高の美しさを備えて立っています。日本では萩でしか見ることのできない貴重な桜で、山口県の天然記念物に指定されています。ミドリヨシノはソメイヨシノより開花が早いので、満開を見るためには少し早めに行かなければならないので、ご注意を。
桜の時期には夜間ライトアップも実施され、幻想的な光をまとって浮かび上がる天守閣跡の石垣とともに、美しい夜桜を鑑賞することができます。そこはまさに悠然とした歴史と刹那の美しさが交差する場所。旅の1ページに、訪れてみませんか。
「萩城跡指月公園」
住所:〒758-0057
山口県萩市堀内1-1
電話番号:0838-25-3139
萩市観光課(平日のみ)
「萩城跡指月公園 桜ライトアップ」
開催時期:3月下旬〜4月中旬 ※落花まで