11chDocumentary
日本のチカラ
“笑顔”支える大黒柱
~元落語家と子どもたち~
© 宮崎放送/企画:民間放送教育協会
宮崎県北部、太平洋に面した日向市は世界大会も開かれる国内有数のサーフタウン。そんな日向市で開かれている意外な大会が「ひむかの国 こども落語全国大会」。その立ち上げメンバーの一人が、日向市出身の元落語家、甲斐伸也さん(46)。「柱大黒(はしら だいこく)」としてイベントに出演するかたわら、子どもたちに落語を教えています。「こども落語全国大会」はコロナ禍で2020年、2021年と2年連続で中止に。そこで大黒さんは「せめて宮崎の子どもたちだけでも落語を披露する場を作ってあげたい」と「こども落語 県大会 大黒杯」を企画。費用は自腹、予算は20万円。台本や小道具の準備、運営も自ら行います。家族は妻と子どもが2人。高校卒業後、落語家を目指し上京、同じ日向市出身の落語家・桂歌春さんに弟子入りしますが、遅刻などが重なり2年後に破門。さらに待ち受けていたのは、父親の多額の借金。返済に追われる日々のなか「落語のことを考える余裕がなかった」と大黒さん。借金を完済し家庭を持った時、心に浮かんだのが「迷惑をかけた人たちに落語で恩返しがしたい」という思い…そんな熱き男の日々を追いかけます。