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脈動している星がある、ということを知ってますか。
長い年月をかけて大きさが変わるその星は、
「脈動変光星」と呼ばれます。
有名なのは北極星。
宇宙空間では空気がないから、
脈動の音は聴こえません。
でも、もし、それが聴けるとしたら。
それはどんな音がするだろう?
星の脈動を音楽に変換する実験的プログラム。
目指したのは、
挑戦的な新しい音楽体験でありながら、
リラックスできるよう環境に溶け込む音楽。
注力したのが、機内の飛行音を軽減できる
「周波数マスキング」の技術でした。
「スマート ラグジュアリー」なSTARFLYERが
お送りする唯一無二の音楽プログラム、
ぜひ、空の上でご体験ください。
地球上から見た明るさが変化する星を「変光星」と呼びます。変光星にはさまざまなタイプがありますが、その中でも星自体が脈を打つように大きくなったり小さくなったりすることで明るさが変化する星を「脈動変光星」と呼びます。
脈動変光星は、まるで生きものの心臓が鼓動し脈を打つように、振動しています。
脈動変光星が振動する周期は、星によって異なります。数年単位の星もあれば、数日単位で振動する星も。その周期が規則的な星もあれば、まったく不規則な星もあります。
脈動変光星の明るさを定期的に観測して、データ化すると、音の周波数のようなカーブを描いています。明るくなったり、暗くなったり、星の鼓動のリズムやパターンがわかりますよね。
「Star Chorus」に登場する星は、5つ。くじら座のミラは明るさが変化する星として16世紀から知られていたほど、もっとも有名な変光星のひとつです。質量が大きい星の一生が終わりに近づくと、膨れて巨大化していくのですが、オリオン座のベテルギウスとさそり座のアンタレスはまさにこの時期で、赤色超巨星で赤く輝く星として知られています。アルデバランはおうし座の1等星で、ポラリスは言わずと知れた北極星です。
脈動変光星の鼓動には、個性があります。この5つの星の鼓動を元につくられた音楽「Star Chorus」を聴いて、星を身近に感じていただけたらうれしいです。
脈動変光星データ監修
理学博士 : 山岡 均
1965年愛媛県生まれ。国立天文台天文情報センター広報室長・准教授。
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻中退、博士(理学)。
九州大学大学院理学研究院助教などを経て現職。専門は天体物理学、
特に超新星爆発をはじめとする時間変動する天体現象の理論的観測的研究。
天文教育・普及・広報の面でも大いに活動している。
著書に「大宇宙101の謎」「君も新しい天体を見つけてみないか」など多数。
「脈動変光星」は、脈を打ち、鼓動するように明るさが変化します。その周期(リズム)はひとつひとつ異なる際立った個性があります。今回は5つの星の鼓動の周期を、音程やテンポに変換し、それぞれ違う音色をもった楽器や音響で表現しました。
アンタレスは弦楽器、アルデバランは低音のベース、ポラリスはピアノ。ベテルギウスはサウンドエフェクト(効果音)、もっとも変化の激しいミラの動きは電子音で表現しています。
飛行機に乗る人は、どんな音楽が好きなのか、どんな心理状態なのか、ひとりひとり違います。様々な搭乗者の様々な心理状態に対して、インパクトがあるキャッチーなメロディーで“楽しい”や“悲しい”気分に誘導するのではなく、それぞれの心理状態が良い気分へと向かうきっかけとなるような、主張しすぎないサウンドにつくりあげました。
「Star Chorus」は、5つの星の音をコーラスのように組み合わせ、波のさざめきや風のそよぎのように自然の有機的な振る舞いを表現しています。星の鼓動のように緩やかに変化し続けるアンビエントサウンド(環境音楽)は、長く聴いても飽きません。いつの間にかリラックスできる環境を、音楽でつくっています。
音はそれぞれ固有の周波数特性をもっています。同じような周波数特性の音を重ねることで、元の音が目立たなくなります。この効果を「周波数マスキング」と呼ぶのですが、飛行中の機内音を周波数解析し、この機内音と同等の周波数特性となるように「Star Chorus」を仕上げました。
「Star Chorus」を聞いていると、まるで機内にいることを忘れてしまう感覚になると思います。何にも邪魔されない空間ならではのくつろぎを感じてください。
楽曲 制作
invisible
designs lab. : 松尾 謙二郎
インビジブル・デザインズ・ラボ代表。
作曲家/サウンドアーティスト/テクニカルディレクター/クリエイティブディレクター。
「音楽を拡張する」というテーマで多角的クリエイティブをつづける。
その幅の広いスタイルから多くの音楽表現に挑戦し続ける。
楽曲 制作
invisible
designs lab. : 小野寺 唯
作曲家/サウンドプロデューサー。サウンドアートの分野にて国際的に活躍。
建築音響と音響技術に精通した知見によって、音楽(音・時間・空間)表現における
クリエイティブディレクションとプランニングを含めたサウンドプロデュースを行う。
国内外の広告音楽やプロダクト、ナビゲーションシステムのサウンドデザインから
インスタレーションなどのマルチチャンネル立体音響など多岐にわたる。
自律神経には、アクティブな状態のときに優位になる交感神経と、リラックスしたときに優位になる副交感神経があり、この2つはシーソーのようにどちらかが強くなれば、どちらかが弱くなります。リラックス状態になるには、交感神経から副交感神経に切り替える必要があります。人間は自然と切り替えられるはずなのですが、現代社会では肌身離さず持つようになったスマートフォンをはじめとして刺激が多く、副交感神経を優位な状態に切り替えるのが難しくなってきました。
実は、フライト中の飛行機内は、この現代社会で刺激から物理的に隔離される、数少ない空間です。機内ではPCやスマートフォンを電波の発信しない状態にせざるを得ないので、電話もかかってこない、メッセージも届かない状態になります。数十分の短い時間でも、副交感神経を優位にして脳をリラックス状態にすることは、その後の活動に積極的な効果があることがわかっています。だからこそ、この貴重なフライト時間を、よりリラックスして過ごすことには、大きな価値があるのです。
※機外 wifi環境ではない場合。
音楽を聴くことは、副交感神経を優位にしてリラックスする方法のひとつです。そのためには、ビートの効いた激しい音楽や、日本語の歌詞やメロディが耳に残る音楽よりも、メロディやリズムがはっきりしない、ゆらぎがある音楽のほうが向いています。自然に起因した波のような音楽の方が、私たちはリラックスしやすいのです。
「Star Chorus」は、周波数マスキング効果で機内の飛行音が気になりにくい設計になっているため、より音楽に集中できます。実際に何も聴かずに飛行機で移動した場合と、「Star Chorus」を聴いて飛行機で移動した場合の脳波や眼球運動などを計測して比較した結果、62.5%の人が「Star Chorus」を聴いて移動した方が、睡眠脳波が多く出現しました(※)。この試験結果からも「Star Chorus」の入眠効果、副交感神経を優位にするリラックス効果が実証されたと考えられます。
「Star Chorus」を聴きながら、今やらなければいけないこと以外のことをぼんやり考えていると、自然と副交感神経が優位になり、リラックスできるはずです。次の休みの計画を立てるのも、いいかもしれませんね。
※2017年12月21日〜12月25日、STAR FLYER機内(羽田−北九州)にて、
Sleep Profiler™ EEG Sleep Monitorを用いて実施
リラックス効果 監修
医学博士 : 白濱 龍太郎
筑波大学医学群医学類卒業。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
統合呼吸器病学修了。
東京医科歯科大学呼吸器内科・快眠センター、
公立総合病院睡眠センター長ほかを経て、
2013年にRESM新横浜を設立。
経済産業省海外支援プログラムに参加し、
海外の医師たちへの睡眠時無呼吸症候群の教育を
行うとともに、
順天堂大学公衆衛生学非常勤講師
として睡眠予防医学の観点から
臨床研究発表、
講演も行っている。